日本酒用語マメ知識



日本酒に関する豆知識あれこれをご紹介します。


   

【あらばしり】

もろみを絞った時に最初に出てくる白濁した部分。


【寒造り(かんづくり)】

11〜3月ごろまでの寒い時期に行われる酒造りのこと。寒い季節は酒造りに好条件が揃っており、品質も最良とされています。


【生一本(きいっぽん)】

“純粋でまじりけのない”という意味より。単一の製造場でのみ醸造した純米酒にのみ表示できるもの。


【麹(こうじ)】

カビの一種。酒造りでは、蒸した米にまぶしてデンプンを糖化させる役割を果たします。


【酵母(こうぼ)】

麹によって生じた糖分をアルコールに変える働きをするもの。


【吟醸酒(ぎんじょうしゅ)】

精米歩合60%以下の白米、米麹、白米の重量の10%以下の醸造アルコール、水を原料として吟醸造りで製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好な物。


【吟醸造り(ぎんじょうづくり)】

特別に吟味した製法。伝統的には高精米な白米を低温で時間をかけて発酵させ、酒粕の割合を高くして特有の芳香『吟醸香』を多く出すよう工夫されています。吟醸造り専用の優良酵母、原料米の処理、高度な発酵管理、瓶詰から出荷にいたるまでの杜氏の技術の結晶。


【原酒(げんしゅ)】

製成後、加水調整をしていない清酒。


【酒林(さかばやし)】

酒蔵や酒屋の軒先にかけられる杉の葉を束ねた球状のもの。新酒が出来たことをお知らせするもので、青々とした葉が茶褐色に変化すると、酒は熟成し、飲みごろになります。


【新酒(しんしゅ)】

その年に造られたお酒。熟成がすすんでいないため、特有の若い香りが残っているのが特徴。一般的に12〜2月に販売されます。


【酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)】

一般食用米より大粒で心白が大きく、吸水性がよく、蛋白質含有量も少ない米。糖化性も良い為、醪での熔けかたも良く、良い酒が造りやすく、蒸し米にしてもネバリが少ない。ちなみに値段は一般食用米の1.5〜2倍位です。


【酒母(しゅぼ)】

麹に水と蒸米を加えつくられたもので「もと」とも呼ばれ、その名の通り清酒の元になるもの。


【純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)】

精米歩合60%以下の白米、米麹、水を原料として吟醸造りで製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好な物。


【醸造アルコール(じょうぞう)】

デンプン質物質や含糖質物から醸造されたアルコール。もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高くスッキリとした味になります。更にアルコール添加には、清酒の香味を劣化させる『火落ち菌』の増殖を防ぐという効果もあります。


【心白(しんぱく)】

米の中心部にある、白い不透明の部分。脂質や蛋白質が少なく、デンプン質が"石垣のように(すきまが空いて)"集まっている(そのため、白く見える)。吸水性も良く、酒造りに最も適した部分である。


【精白(せいはく)】

玄米から20%の糠分を除いた精米歩合80%の米と、70%50%ものでは、清酒の品質に歴然とした差がつきます。これは、米の表層部には蛋白質や脂肪が多く、これらの成分が日本酒の色や香味を劣化させる為。糠の部分を30%除くと(精米歩合70%)蛋白質や脂肪の成分などは激減する為、普通の日本酒はこの程度の精米をした白米が使われます。純米酒や吟醸酒では優雅な品質の醸造をするため、玄米を半分あるいはそれ以上の精米をした"米の芯"を使っています。ちなみに、玄米の表面には脂質が多くて水を吸わないので普通には炊けません。それで圧力鍋で玄米ご飯にするのです。


【精米歩合(せいまいぶあい)】

白米の玄米に対する重量の割合。"精米歩合60%"というときは、玄米の表層部を40%削り取る事。「精米歩合が 高い/低い」という言い方をします。ちなみに普通の食用米の精米歩合は92%位。普通酒に用いる物で75%です。


【大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)】

吟醸酒のうち、白米の精米歩合が50%以下で、固有の香味及び色沢が特に良好な物。


【杜氏(とうじ)】

蔵・酒の仕込みと管理などを行う、酒造り・酒蔵の総責任者。


【特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)】

本醸造酒のうち、白米の精米歩合が60%以下、又は特別な製造方法(説明表示が必要)の物で、香味及び色沢が特に良好な物。


【特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)】

純米酒のうち、白米の精米歩合が60%以下、又は特別な製造方法(説明表示が必要)の物で、香味及び色沢が特に良好な物。


【生酒(なまざけ)】

製成後、一切火入れをしない清酒。酵素がまだ生きているので、管理が難しいものです。また、限外濾過という酵素までも除く精密濾過を行った酒もあります。


【生貯造酒(なまちょぞうしゅ)】

成製後、火入れをしないで低温貯蔵し、出荷の際に火入れした清酒。


【にごり酒】

醪(もろみ)を目の荒い布でこした清酒で、白くにごっている酒。甘酒とは違うものです。


【日本酒度(にほんしゅど)】

清酒の味の表現に昔から有った『あま・から・しゃん(ぴん)』のうち『あま・から』を数値で表したもの。"日本酒度計(ボーメ)"という器具を使い、計ります。一般に、この数値が"+"の物は辛口、"−"の物は甘口となりますが、酸味との兼ね合いで実際の感じ方は変わります。ちなみに『しゃん(ぴん)』は、「味に"張り"や"締まり"があるか」の事。


【火入れ】

火落ち菌の防止、及び貯蔵中の品質劣化を防ぐ為に酵素を破壊する為の加熱処理。これをしないと、酸化が起こり『ムレ香』という匂いが出る事があるため、通常60〜65℃で5〜10分ほど加熱します。


【火落ち菌(ひおちきん)】

日本酒だけにしか生息しない好アルコール性乳酸菌の一種。麹カビが造る『火落ち酸』とアルコールで増殖する。日本酒にとって香味を劣化させる大敵。


【本醸造(ほんじょうぞうしゅ)】

酒精米歩合70%以下の白米、米麹、白米の重量の10%以下の醸造アルコール、水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好な物。


【もろみ】

麹に水と蒸米を加えつくられた酒母に、清酒独特の「三段仕込み」の手法で、麹、水、蒸米を加えたもの。

飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
お酒は楽しく適量を。空ビンはリサイクル。